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副交感神経

人間(人体)にはホント「原因不明」と言うことが数多くあります・・・
その中の『神経系』。神経系には脳(大脳、小脳、間脳、中脳、橋、延髄)と脊髄。
脳神経、脊髄神経で構成され脳というスーパーコンピューターをメインホストに情報
を伝達する為のネットワークが全身に張り巡らせています。絶えず莫大な電気的信号
、化学物質による信号で全身の皮膚や筋肉、臓器や内分泌腺など情報をやり取りしな
がら人の体の複雑な機能を調節しています。

ものごとの認知や判断、思考や記憶、さらに歌うことや絵を描くこと、芸術に親し
み、人を愛し、自然をいつくしむといった人間としてあらゆる高度な精神活動を担っ
ています。まだまだ人としてやって行くには、喜びや悲しみ、怒り、恐怖などの情動、
食欲や性欲、睡眠欲の欲求。学習やさまざまな活動への意欲。ストレスに対する反応
も神経系の働きによるものです。また眼、耳、鼻、舌、皮膚などの感覚器から得た情
報を中枢に伝え、その情報を分析し、何らかの行動を起こそうと判断し、体の末端に
伝達するのも神経系の働きです。

さて本題の副交感神経とは・・・? 皆さんご存知の自律神経の一種。呼吸をする、
心臓を動かす、血管の調節、食べ物を消化する、体温を調節する、尿や便を排泄する
などなど上記のことも含め生命活動をコントロールしている神経です。自身ではコン
トロールできない神経.「自身を律する神経」は交感神経と副交感神経とに分類され
相対した活動を行っているのです。
さてさてホント本題の暴走に入ります・・・。
動物実験で明らかにされた興味深い報告があります。
ラットを自由に動ける状態で電気ショックを与えると交感神経が亢進(高ぶる)します。
しかし、そのラットを拘束して同じ刺激を与えると、副交感神経の興奮を示す徐脈が
現れるのです。 この結果から「闘争か逃走」の選択が出来るうちは交感神経が優位
に興奮するのですが、拘束され戦うことも、逃げることも出来ない「絶望的」な状態に
たたされた時、副交感神経が優位になるのです。

人の場合も実験的に、暴力的な映像や臨終や交通事故の映像を長い間見せられると、
副交感神経が興奮して心拍数が減少したという報告があります。
また痛みを感じたり、痛みを予感するだけで副交感神経の亢進が起こる事があります。
つまり強い心理的ストレスや耐え難い痛みを受けると、心拍数や不整脈が表れるの
です。
さらに副交感神経の持続的な興奮は、血圧の低下、排尿・排便・消化管運動の亢進、
消化液の分泌亢進、喘息発作でも起こりうるのです。
過剰なストレスは不安や絶望感などの情動反応を引き起こすばかりでなく、身体の
恒常性(一定)が乱れ、その不快さから、よりヒドイ情動反応を引き起こす悪循環に
はまる可能性があるのです。
ですから、患者さんの情動にも充分留意することも大切なのです。!
もちろん治療家方も同様です。!! (木村)


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