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スペースは大事なんです。

一昔前、というほど昔ではありません。つい何十年か前、日本は戦争をやっていたという事実。いまではすっかり生活形態も変わり、戦争を経験していない者にとっては、先人たちが語る恐怖、残酷、悲しみの言葉しか感じる事が出来ずにいます。今日がいかに幸せかと感じる、、そのことがすっかり薄れてしまい、いかに恐怖に不慣れになっていたでしょうか。

この度のコロナウイルス。いろんなかたちの恐怖はありますが、目に見えないだけに不気味な感じがします。この数か月、毎日コロナのニュースが世界中の現実と死者数を放映し、今世紀初の、、とか、世界がいまだかつて経験したことのない、、とか、史上最悪の、、とか、、。国境も人種も関係なく、誰もが見えない敵と闘っています。

このウイルスは目に見えませんが、人は自分の目の前に迫った恐怖からどう逃れようかと、脳や身体は必然的に鍛えられます。そしてそれを乗り越えたと悟ったとき、数倍もの安ど感や幸福感、何ともいえない癒しが訪れます。

自然界の動物の世界では、常に敵という恐怖が付きまとっています。
それでも、いろんな生息場所に効率よく適応した「嗅覚」「聴覚」「触覚」「視覚」を持ち合わせ、対するそれぞれの感覚が行き交って、狙うもの、狙われるものの「スペース」を保持しています。さらにそのスペースに入り込むと臨戦態勢になり、互いに生死の戦いです。
人間界でももちろんこの「パーソナルスペース」は存在しますが、かなり「鈍い」。
地域環境や文化の違いによって各国の違いはあるけれど、人の感覚機能の限界は動物に比べて
かなり劣る部分があります。

私たちはこの「パーソナルスペース」を、ほとんどの人に対してそれほど意識せずに過ごしていますが、なんとなく好きな人、嫌いな人、尊敬する人などとのスペースを意識し、意識から無意識に情報を得て、自分が心地よいある一定のスペースを保っています。

若い子がよく言う「キモイ」は「生理的に受けつけない」。裏を返せば「内因的に受けつけない」イコール、この人といたら内臓機能が上手くいかず「生命的に受けつけない」という解釈も、究極論ですが一理あります。
全くの他人との苦にならない距離は、1,5mなんだそう。友人であれば、50cm。彼氏彼女であれば、、まあそこはご自由に。

猛威を振るっている憎きコロナウイルス。世界中のどこに逃げ回っても追いかけてくる恐怖は、どんな「スペース」もお構いなしです。せめて最小限のリスクで済む距離をお互いが意識し、もう少し我慢しましょう。一日でも早い終息を願うばかりです。


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