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熱があるのに震えるのは

毎日、コロナコロナの一色ですね。早く終息をと願うばかりです。さて、今日は体温のお話し。

健康なとき、体温は36~37度に保たれています。これは脳の視床下部に体温調節中枢があり、サーモスタットの役目を果たしているからです。暑いときには汗を出したりして、体温が一定になるように調節しています。

ところで、病気になると39度とか40度の高熱が出ますが、これは病気のために温度中枢の作用が乱れるからです。ウイルスや細菌に感染すると、プロスタグランジンと呼ばれる毒素が産出され、これが体温調節中枢を刺激します。そのため体温調節のサーモスタットは、いつもより高いところにセットされます。

からだのほうも、セットされた体温まで体温を上げなければいけません。まず体温の放散を防ぐために、皮膚表面の血管や筋肉が収縮して、その結果鳥肌がたち、顔色は青ざめ、寒気のためにブルブル震えます。震えるというのは、筋肉が伸びたり縮んだり運動を繰り返すことで、それによって熱が生産されます。

こうして体温が上がり、セットされた温度に達すると寒気はなくなります。けれども体温が高いままでいるとからだが衰弱してしまいます。アスピリンは解熱剤として知られていますが、これはプロスタグランジンの生産を抑え、体温調節中枢を正常にする作用があります。平熱にセットされると、皮膚の血管は広がり、大量の汗が出て熱を放出し、体温は下がるのです。

ひとのからだって凄いですね。もともと備わった防御反応や生命力は一番の名医です。


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